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それぞれの人となり句なりを自己分析。
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少 艶
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60年前は「道灌山の麒麟児」、40年前は「日比谷のプリン
ス」、20年
前は「渋谷の帝王」といわれたものですが、今や「鷺沼の少艶」と呼ばれる身となりました。
「少艶」なる呼び名(決して俳号というほどのものではありません)は、俳諧連句に必要な
「艶なるもの」
が少ないという意味で、私の句を見ていただければ、なるほど「少艶」だとおわかりいただけると思いま
す。
そのようなわけで、他人様にご披露できるような句は、今のところ一つもないのが残念で
す。こればかり は、気質、素質の問題で、理性と学習では、いかんともしがたいと思います。
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長者巻
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長いものには、巻かれろが、「長者巻」。逆わらず、勝手にした
らを心がけています。
★即鑑賞の妙 即
創作の苦 (居酒 屋2・呑びり歌仙)
★タラット
ダット ウサギのダンス (居酒屋3・のんだくれ)
★イスラムの裏町
犬が見 た空 (居酒屋4・秋の蝶の巻)
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山八訪
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山八訪」は、八卦の道を究める師(居酒屋の亭主でもある)の命
名による。
山八訪という名でノーベル文学賞、芥川賞などの賞金を得た場合には、命名の謝金として半
額を師にお渡しすることになっている。しかし、まだ賞金を得たこと はない。
★役者こそ 天職
なのよ との便りくる(居酒屋8・疾風の巻)
★流れる紫煙にす
がる脂粉(居酒屋1)
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色褪せし 古書もよろしや 老の恋(エマノン16・
白もくれんの巻)
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銀次郎
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俳号 銀次郎 姓が金森で、金と銀が揃えば豪華だろうと考え
た。
俳号らしくない、上品さに欠ける等の批判に晒されている。
常に前後のバランスを気にしながら句を作っており、その結果、不本意ながら色ものの句が
多くなって いる。
★ カルマあらば
大股開 け 治療せむ (居酒屋7・春雷の
巻)
(斬新な発想、大胆な表現)
★ 葉陰密かに
乳房を盗む (居酒屋8・疾風の
巻)
(色彩・触覚・意外性)
★ 雪も舞う 激
しき時化は 馬も消 ゆ(居酒屋4・あきの蝶の巻)
(回文)
★ 大事の紅葉
手からこぼれる (居酒屋8・疾風の
巻)
(細やかな描写)
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紅 蓮
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紅蓮という名は、好きな児童文学作家、リンド=グレーンから
とった。
連句歴・約8年。当初5人の中の紅一点。うるおいを期待されたが・・・
いまだに詩心、色気にかけるのでその辺の磨きをかけたい。
★ 黄昏時に 銀座恋しく (居酒屋7・春霞の巻)
★ 荒波に もま
れてもなお 返り 咲け(居酒屋10・霧晴れての巻)
★ 宇宙に浮かぶ
青き惑星 (エマノン 3・水芭蕉の巻)
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良流娯
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良流娯と書いて「ラルゴ」。緩やかにという意味の音楽用語から
つけました。
歌仙も自分も、ゆっくりと、でもいつまでも楽しみながら流れていけたらいいなという願い
をこめて。
ひねりも、色気もなくただ速いのがとりえというだけの句を作っています。
★雲去りて Love Love Loveの 星祭り (居酒屋11・初孫の巻)
★月光の 音色に
酔いて 船を漕ぎ (エマノン1・紫陽花の巻)
★青空に 大河の
如き 花吹雪 (エマノン4・彼岸過ぎての巻)
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天 遊 |
はじめは打ち上げ専門要員として参加。後、加わることになり
ま した。
俳号は、『忙中閑(あり)』――当時は忙しく、「ああ遊びたい遊びたい」「ああ鄙びた温
泉地か南の島へ
行ってぼけっとしていたい」との思い深く――を思いつきましたが、二文字にとのことでちょっと気取って
『天に遊ぶ』にしました。
自分では気取ったつもりだったのですが、『遊』という食事処の何と多いことか!!
まあ、「無芸大食」 「無為徒食」の我が本質を言い当てているかなあと諦めています。
俳風は、いまだ定まらず。よちよち歩きの段階です。
心に留まった句は、
「永き日のにはとり柵を越えにけり」(不器男)
「秋風や眼を張って啼く油蝉」(水巴)
「つぎつぎに風が木を出て菊日和」(龍太)
「かげろふの息づかい知る夜の障子」(つね子)
「男憎しされども恋し柳散る」(真砂女)
「大花火音の降りくる隅田川」(詠み人知らず)・・・・・です。
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嗤 己 |
初めて参加した時、会場の常連客でいらっしゃる姓名判断の高名
な先生に見ていただき付けました。
文字通りの愚か者です。遅いこと、駄作にかけては人後に落ちません。
順番が回ったときの緊張感と打ち上げが楽しみです。
★ もう一度
村を興せよ 茸にて (エマノン1・紫陽花の巻)
★ 墨染めの
剃り跡青し 花吹雪 (エマノン1・紫陽花の巻)
★ 作る弁当 三
段重ね (エマノ ン2・波の花の巻)
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麻衣子
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詠む」と形容されるような文学にはここしばらく全く縁がなく、
大学時代に専攻の関係で、ランボーやマラルメといったフランス散文詩に触れたことがある程
度のど素人です。
俳号「麻衣子」は銀次郎先生その他数人によって命名頂きました。
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晩 菊
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「晩菊」(バンギク)とは、遅咲きの菊のこと。
年食っていて、さらに後発であることから付けました。
酒好き、寄席好きのサラリーマン。
川柳、俳句、短歌を始めたきっかけは、97年9月(5年前)。
その日その日の出来事や感じた事柄を、日記代わりに書きとめた大学ノートが八冊目に
入っており、延べ4000句首程になっています。
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茶目猫
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読んで字の如く、人間のふりをしつつも人に為りきれないお茶目
な猫です。
何気に参加した公民館の句会で、俳句結社遠嶺の小澤克己主宰と出会い、その透徹した句境
に魅せられ、句
を詠むようになりました。師の卓越した指導力の下、丸2年たったこの4月より同人に昇格、現在に至って
います。 → 「遠 嶺」ホームページ
★ 堂奥に 揺らぐ火のあり 牡丹の芽
(春)
★ 夏空へ 吸は
るる心 大欅 (夏)
★ 高く呼ぶ 鳥
の声して 秋澄めり (秋)
★ 冬満月 サー
カス小屋の 幕が開く (冬)
★ 身ほとりに
禅の一書や 去年今年 (新年)
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多摩のO脚
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多摩のO脚の由来は『たまにしか顔を出さないお客=たまのお
客』です。渋谷の飲み屋仲間で『楽書帳』という文集?のようなものに加わり、その中の『居酒屋
歌仙』というコーナーにデビューしたのがきっかけです。
未だに連歌のルールや季語などにも疎く、ご迷惑を掛けています。
回文になっている俳句や短歌にあこがれています。
『長き夜のとをの眠(ねぶ)りの皆目覚め浪(なみ)乗り船の音のよき哉』
(2005年5月)
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逐 電
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鹿児島市在住の逐電です。
いなくなって、ここではない場所に行きたい、というのが念願ですが、なかなかそうもいか
ないので、名前 だけでも「逐電」としました。
機械や装置に弱いので、ワープロも一本指でたたくのみで、細君の助言をもとに、やっとの
思いで送信して います。
50歳をとうに過ぎ、豚児が三人いて、皆、内親王で、小6、中3と、もう一人。こういう
と、もう一人は
高校生かな、と皆さん思われるでしょう、ところがまだ年長組です、と自己紹介するのが、退屈をまぎらわ
すこのごろの唯一つの方法です。
(2007年12月)
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ターボ |
写真俳句をブログに連載していましたが(続・
ター ボの薩摩ぶらり日記)、紅蓮さんの影響を受けて1年前、俳句を連句に替えま
した。相前 後して良流娯さんと両吟を巻き始めました。
20句
(雑) 用事すませて馬刺に真澄 ターボ
令
和元年秋の両吟。長野出張時(回顧)の句です。
21句
(雑) 災害に打ち勝ち起きる底力 良流娯
決
壊した千曲川復旧を励ます句。地酒を飲み馬刺に舌鼓を打っただけの観光句が、ほうれん草を食べたポ
パイのように底力となって、地元への応援句に発展しました。
音
楽に不協和音が欠かせないように、連句には悪句が必要と寺田寅彦が述べていますが、こ
れからも楽しく駄句の山を築きたいと考えています。
両吟〜良
流娯 とターボ〜
(2020年4月)
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