せっか ち歌仙 その61

目 借時の巻>


 茶目 猫・逐電・多摩のO脚・良流娯・山八訪・紅蓮・永井人生・長者巻


 

発句

目借時昼間のバスの揺れ心地  
茶目猫

脇句

ずれる夕餉にふかす新じゃが  
逐 電

第三

格別な入学式に胸躍り   
多摩のO脚

佳き日に贈る名入り鉛筆  
良流娯

5(月)

お月見の団子頬張る写生の子  
山八訪

秋空見上げ宇宙を想ふ  
紅 蓮

(初折裏)

今年酒酔い潰れたる火星人  
永井人生

此処は何処ぞと嗚呼膝枕   
長者巻

渚はしる裸の君が眩しくて  

10

寄せては返す永遠の波  

11

逝く夫に泣きじゃくる子の声聞かす  

12

願いを込める片足鳥居  

13(月)

鈍行の窓からながむ月さやか  

14

ポワロと競ふ夜長の読書  

15

探偵は9月生まれのクリスティ  

16

事件ばかりの新聞テレビ  

17(花)

一花咲く標準木をリポートす  

18

春昼の湯に届く二胡の音  

(名残折表)

 

19

山奥に令法(りょうぶ)を摘みまったりと  

20

クマよけの鈴要らぬ九州    

21

淡雪に極楽の阿蘇地獄の湯  

22

噴火のたびに景色を変えて  

23

登校のヘルメットの児桜島  

24

カチ割り団扇甲子園席    

25

後出しの負けじゃんけんで場はなごみ  

26

逃げるが勝ちと尻に帆をかけ  

27

ゲンさんがドラマみたいな恋に落ち  

28

田植えの前に泥にまみれる   

29(月)

明日のため夜の洗濯夏の月   

30

ポンペイに在る遺跡を思ふ  

(名残折裏)

31

竹やぶの垂直に添い夕日映え  

32

みんな主役のスポットライト 

33

満場のカーテンコール鳴り止まず      

34

爺せがまれて奢る上寿司   

35(花)

お花見はいつごろからかお人見に
 O

36

川面に揺れる春の夕焼け  

<2026 年4月1 日〜6月12日>