せっかち歌仙 その7

<芽 吹 く 柳 の 巻>  

 

  晩 菊       紅 蓮      少艶     良 流娯   長者巻    銀次郎


 

発句

風に揺れ 芽吹く 柳の薄緑

  

脇句

 春の日あふる岸辺に遊ぶ

  

第三

山笑う背の荷軽くし連れ立ちて

  

 手足のばして湯の香につかる

良流娯

5(月)

天の川三日月の舟たゆとうて

長者巻

 うす壁もれるヴョロンのため息

   銀 次郎

(初折裏)



ひたひたとあふれる想い詠む夜長

 歌に託して如何に伝えん

テノールの「初恋」に酔う夕べかな

10

 幕引き近し髪の薄さよ

11

是非もない成り行き任せ暫 くは

12

 悪徳重ね病に伏せる

13(月)

月隠れ影武者ひとり高笑い

14

 ポテト片手に邦画楽しむ

15

雨あがる稲架けに靄立ち上がり

16

 ママは大変泥んこ遊び

17(花)

花の下公園デビューも華やかに

18

 行く春惜しむ宴楽 しく

(名残折表)



 

19

上着脱ぎスリムに見えて夏近し

20

 イオンパワーでいざグランプリ

21

念願の目的果たしほっとする

22

 次へのバトン捜しあぐねて

23

これはまあ肩冷えたままマウンドへ

24

 調子出ずとも心は熱く

25

ツケありて長考するも敗着す

26

 若気のいたりそれも人生

27

うかうかと一目惚れして結婚し

28

 今は互いに見つめ 合う仲

29(月)

太陽にしばし挨拶薄い月

30

 あかつき露の消ゆるのみかは

(名残折裏)



31

秋空に荘厳なりし 遠き富士

32

 自然の鼓動耳澄ます時

33

胎教にアマデウス売る何でも屋

34

 心を癒す「春の海」かな

35(花)

花乱舞トレモロ奏で池に散る

36

 漕ぐ手も休め長閑に遊ぶ


<2004年3月22 日〜4月16日>