せっかち歌仙 その51


<花菜風の巻>


  茶目猫・紅蓮・逐電・山八訪・長者巻・良流娯・晩菊      


 

発句

寝転んで雲と流れて花菜風 
茶目猫

脇句

川辺ではしゃぐ野遊びの子ら 
 紅   蓮

第三

春泥を戦車蹴散らし進むらむ
 逐   電

強そな四股名並ぶ番付  
山八訪

5(月)

土砂降りのクリミヤ渡る月の暈  
長者巻

蹲を洗い色鳥を待つ  
良流娯

(初折裏)

案山子など無視した様に群雀  
晩   菊

きみは追い込めわがかすみ網  

見送りのテープをにぎり邁進す  

10

青と黄の旗国境越えて  

11

ニュース見て地図を広げる勉強家  

12

反抗的に生きよとカミュ   

13(月)

月に居て地球を見れば何思う 
 山

14

争い治め酌む今年酒   

15

.手打ち会締めは在所の走り蕎麦  

16

新居に荷物いれて寛ぐ 
 紅

17(花)

いとはんは四駆を駆って花の宴  

18

行く春肴に杖置き二合  

(名残折表)

 

19

つばくらめ蒼天裂いて何処へか   

20

平和へ進化何世紀後  

21

先見えぬけれど望みは失わず  

22

母にグリムを読み聞かせつつ  

23

冒険の森で童心に返らむ  

24

山彦で呼ぶ狼の声  

25

繁殖し鳥の楽園無人島  

26

誰を待つやら小枝に一羽  

27

立ち飲みの暖簾をくぐる秋の宵 

28

雑談交わし灯火親しむ 

29(月)

月明り一人静かに渉猟す  

30

栞替わりの満天星紅葉 

(名残折裏)

31

受付で何度も呼ばれている愁思  

32

手元覗けばケイタイのゲーム 
 山

33

なつかしき通勤地獄よみがえり  

34

トラクター借り今日は農道  

35(花)

.咲き誇る桜の花に迎えられ  

36

春光浴びて我が道いかん  

 

<2022 年3月 2日〜5月2日>