せっかち歌仙 その46


<飛魚の巻>


   茶目猫・多摩のO脚・晩菊・長者巻・紅蓮・山八訪・逐電・良流娯・ターボ   


 

発句

飛魚の太平洋を尾でたたく  
茶目猫

脇句

ひかりかがやき涼む山翡翠  
多摩のO脚

第三

青葉陰暫し渓流覗くらん  
晩   菊

そぞろ歩きに昔日思う  
長者巻

5(月)

願わくは盃交わしたき夕月夜 
 紅   蓮

ほどよく離れ豊年踊  
山八訪

(初折裏)

上役はコロナの秋に遠く下知  
逐   電

反抗心に恋の種あり  
良流娯

はねかえり心高鳴る酔い心  

10

自粛解かれて先ずは句会へ  

11

侘び寂びも間と間の間(あわい)ディスタンス  

12

味わい深くもの静かなり  

13(月)

オンライン顔を並べて月の宴  

14

サンマ塩焼き鮭はムニエル  

15

とりあえずコイン精米今年米  

16

不景気になり干上がる歯医者  

17(花)

飛花落花去りゆく時をただ眺め  

18

シャボン玉に今日は何人  

(名残折表)

 

19

子供等の楽しむ空に春の虹  

20

遊び疲れてカラスと帰る 
 長

21

替え歌で笑わせし人世を去りぬ  

22

免疫力だニコニコわはは  

23

席亭の大入りの日や今いずこ   

24

扇ひらけば友詠みし和歌  

25

舟釣りの智栄はどこへ父辛し  

26

夢の中まで面影を曳き  

27

決心し手紙に込めて解き放つ  

28

心晴ればれ希望に燃えて  

29(月)

病癒え軽い足取り望の月  

30

カメラ向けるは紅葉の山か  

(名残折裏)

31

田の中に実りたる穂を待つ案山子  

32

雨の降るまで雨乞いをする  

33

青空の一滴となり糸とんぼ  

34

飛び去るもよし居座るもよし  

35(花)

迷いつつ今年は桜そっと見る  

36

笑ふ山背に記念撮影  
ターボ

 

<2020 年5 月10 日〜6月26日>