せっか ち歌仙 その39

< 落雲雀の巻 >

   

      茶目猫・長者巻・紅蓮・逐電・多摩のO脚・良流娯・晩菊・山八訪

    


 

発句

蒼天の雫のやうに落雲雀  
茶目猫

脇句

春の野の鹿眩しげに食む  
長者巻

第三

ふるさとの思いを胸に巣立つらん  
紅   蓮

切手も切符も上がる昨今  
逐   電

5(月)

望月の映る車窓に心満ち  
多摩のO脚

土産話に沸く休暇明け  
良流娯

(初折裏)

.心身の充電終えて秋団扇  
晩   菊

乍ら歩きで掃き溜めを踏む  
山八訪

道ならぬ恋の残り火昏れなずむ  

10

ひりつく傷にアロエ汁塗る  

11

くノ一は暇に鰻を手ですくい  

12

.新歓の宴楽しみにして  

13(月)

.一人居て憂きことあふれゆがむ月  

14

山椒の実と酒を味わう  

15

今になお色なき風の収容所 

16

訳も分からず戸惑うばかり  

17(花)

ふらふらと彷徨うもよし花の山 
 茶

18

長閑なる里かがやくみずた  

(名残折表)

 

19

三度目の春を迎えて村に慣れ   

20

接待上手とまた褒められて  

21

あの笑顔いつからかしらん消えたのは 

22

.長いトンネルそろそろ出口  

23

背を伸ばし一息つけば初時雨  

24

猿酔いの果てに小蓑忘れる  

25

孫連れてあれもこれもとほしげなり  

26

出会ひし後はもう迷はざる 
 茶

27

先に帰る侍の笛1インチ  

28

イヤーロッパ君時代はかわる  

29(月)

名月や旧暦八月十五日   

30

大宮島に立つ盆休み 

(名残折裏)

31

秋暑し信号待つ間影に入る 
 良

32

.襟首緩め暫しの思案  

33

勝敗のインコ占い雨模様 

34

水浴びて鳥高く飛びたつ  

35(花)

異国にて川眺めては花恋し 
 紅

36

.山高帽に積む春愁い  

 

<2018 年4月7日〜6月25日>