せっかち歌仙 その35


頬杖の 巻>


逐電  良流娯  晩菊  紅 蓮  長者巻  茶目猫 


 

発句 頬杖を解かず茶を飲む春の昼  逐   電
脇句 我に返りて北窓開く  良 流娯
第三 春日傘静かに路地を進むらん
晩   菊
きらきら光る海を見下ろし
紅   蓮
5(月) 月高く桟橋の影くっきりと    長者巻
踊る一団橋渡りゆく  茶目猫
(初折裏)
真剣な眼差し老いた夜学生  
酔って手管を語る放課後 
初恋の君を想って泣いた日も 
10 ふり仰ぎ見る明け方の空 
11 気持ち良き風に押されて土手歩く 
12 川の浅瀬に小魚の影  
13(月) タニマチとごっつあんが行く夏の月 
14 ビルの谷間の打ち上げ花火 
15 催しを終えて会食和やかに 
16 酒の肴はツアーの珍事 
17(花) 弘前のお濠に映る花あかり
18 天守残して鳥雲に入る 
(名残折表)
19 白藤や砂場の子らに蔭作り 
20 電車がつなぐ君んち僕んち 
21 初めての定期を持って足弾む 
22 絶えぬおしゃべり一つ乗り越し 
23 ふるさとの訛りうれしき新年会 
24 星降る夜に御神渡り鳴る 
25 漱石の猫かしこまる杜の底 
26 カフェの片隅静かな二人 
27 歳重ねあうんの仲の好々爺 
28 古民家に住むハンサムガール 
29(月) 遠き日を思い起こせし月の宿
30 一升瓶に薄を活けて 
(名残折裏)
31 初曾孫祝い続くや秋の宵
32 もらい湯をする町長の家 
33 名刺持ち愛想ふりまく古希の会 
34 酒量は減れど話題は豊富 
35(花) 花筵見知らぬ人も混ざりゐて 
36 ホキェキョと初音葉影あざやか  
 
<2017年4 月12 日〜5月13日>
 


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